問題.
19-20シーズンのB1リーグでEFFトップの選手はだれ?
A ダバンテ・ガードナー(三河)
B 富樫 勇樹(千葉)
C 田中 大貴(A東京)
19-20シーズンのB1リーグでEFFトップの選手はだれ?
A ダバンテ・ガードナー(三河)
B 富樫 勇樹(千葉)
C 田中 大貴(A東京)
正解のまえに…
いきなりすみませんが、今回のテーマはいっぱい横文字が出てきます!
でも、これがわかるとBリーグ観戦がより面白くなります!
みなさん頑張って最後まで読んでください!お願いします!
「EFF」とは
まずはじめに、「EFF」[efficiency(効率)]とは選手を総合的に評価する指標のひとつで、
B.LEAGUE公式HPでは貢献度と表記されており、
成績欄に唯一載っている総合指標です。
ところで、バスケットで優れた選手といったらどんな選手でしょうか??
バスケットにはポジションというものがあり、おおまかに役割分担がされています。
さらに選手個々にもそれぞれ特徴がありますので、当然このような議論になってきますよね。
そのような一長一短があることは理解したうえで、とりあえずトータル的に選手を評価するために用いられる指標として「EFF」は使われています。
ちなみに、B1の20-21シーズン12節時点では、平均値が「8.5」で、中央値が「6.5」となっていました。
ところで、バスケットで優れた選手といったらどんな選手でしょうか??
・
やはり得点をいっぱいあげる選手!!?
・
でも得点をあげる選手にアシストする選手も大事ですよね?
・
リバウンドを制する者は
バスケットにはポジションというものがあり、おおまかに役割分担がされています。
さらに選手個々にもそれぞれ特徴がありますので、当然このような議論になってきますよね。
そのような一長一短があることは理解したうえで、とりあえずトータル的に選手を評価するために用いられる指標として「EFF」は使われています。
ちなみに、B1の20-21シーズン12節時点では、平均値が「8.5」で、中央値が「6.5」となっていました。
「EFF」の算出方法
計算式は意外と簡単です。
簡単に言えば、いい成績から悪い成績を引いた数字です。
この数値が高いほど得点に多く絡んでいることになり、自チームの勝利に貢献していると考えられる指標になっています。
[EFF]=
[得点]+[リバウンド]+[アシスト]+[スティール]+[ブロック] -[シュート失敗]-[フリースロー失敗]-[ターンオーバー]
簡単に言えば、いい成績から悪い成績を引いた数字です。
この数値が高いほど得点に多く絡んでいることになり、自チームの勝利に貢献していると考えられる指標になっています。
「EFF」の解説
さて、それではここで冒頭の問題の正解です。
ガードナー選手は、203㎝、132㎏の巨漢に似つかないシュートスキルを持っていて2019-20シーズンには3年連続となるBリーグ得点王になりました。
富樫選手は、身長167㎝と非常に小柄なプレイヤーですが、スピードとスキルで相手を翻弄するプレイを得意とし、日本人で初めての年俸1億円プレイヤーになりました。
田中選手は、フィジカル・テクニックのバランスがとれた攻守両面に優れたオールラウンドプレーヤーで2019-20シーズンのMVP選手です。
3選手とも間違いなくBリーグを代表する素晴らしい選手なのですが、数値には大きな差が出ています。
参考までに「EFF」にかかわる3選手のスタッツを並べてみました。
※わからない言葉はクリック!
さて、「EFF」にかかわるスタッツをそれぞれ確認してみましょう。
「得点」…バスケットは得点を多くとったほうの勝利です。最も重要なスタッツになります。
チームそれぞれの役割がありますが、傾向としてセンターポジションの選手は比較的高めになるケースが多いです。
「リバウンド」…リバウンドを取ることで、攻撃権を保持できます。
これはリングに近いポジションの選手に大きく補正がかかります。リバウンドを取る能力はバスケでは非常に大事になってきます。
「アシスト」…より良い状況でシュートを打てれば得点確率は上がります。ガード陣に多い傾向かと思いきやゴール下の選手にも多いです。
「スティール」…相手ボールを奪うことです。相手の攻撃を終了させ、攻撃権が自分たちに移ります。
カウンター攻撃につながるのでスコアへの影響が大きいプレーです。
「ブロック」…シュート止めるプレーです。決まれば失点を確実に防ぐことになります。
「シュート失敗」…シュートの失敗本数です。相手にリバウンドを取られたら攻撃が終了になります。
「フリースロ失敗」…フリースローの失敗本数です。相手にリバウンドを取られたら攻撃が終了になります。
「ターンオーバー」…シュートを打てずに攻撃が終了することです。攻撃チャンスを一回分逃すことになります。
これらのスタッツを上記の式に当てはめているのですが、なんとなくゴール下で働く選手の「EFF」が高くなりそうですね。
バスケではサイズのある選手が優位なことは間違いありません。
大きい小さいが選手の評価を上下させる要素であると仮定して、「EFF」のように評価する指標があっても、それ自体に問題はないと思います。
正解. A ダバンテ・ガードナー(EFF:29.2)
B 富樫 勇樹(EFF:13.4)
C 田中 大貴(EFF:13.1)
B 富樫 勇樹(EFF:13.4)
C 田中 大貴(EFF:13.1)
ガードナー選手は、203㎝、132㎏の巨漢に似つかないシュートスキルを持っていて2019-20シーズンには3年連続となるBリーグ得点王になりました。
富樫選手は、身長167㎝と非常に小柄なプレイヤーですが、スピードとスキルで相手を翻弄するプレイを得意とし、日本人で初めての年俸1億円プレイヤーになりました。
田中選手は、フィジカル・テクニックのバランスがとれた攻守両面に優れたオールラウンドプレーヤーで2019-20シーズンのMVP選手です。
3選手とも間違いなくBリーグを代表する素晴らしい選手なのですが、数値には大きな差が出ています。
参考までに「EFF」にかかわる3選手のスタッツを並べてみました。
PLAYER | PPG | FGM | FGA | FG% | FTM | FTA | FT% | RPG | APG | TO | ST | BS | EFF | PER |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
23.4 | 343 | 612 | 56.0% | 219 | 257 | 85.2% | 9.9 | 4.8 | 97 | 26 | 22 | 29.2 | 32.0 | |
14.4 | 213 | 523 | 40.7% | 74 | 87 | 85.1% | 2.4 | 6.5 | 101 | 28 | 1 | 13.4 | 18.5 | |
11.1 | 162 | 345 | 47.0% | 55 | 62 | 88.7% | 1.8 | 4.8 | 58 | 61 | 6 | 13.1 | 17.9 |
さて、「EFF」にかかわるスタッツをそれぞれ確認してみましょう。
「得点」…バスケットは得点を多くとったほうの勝利です。最も重要なスタッツになります。
チームそれぞれの役割がありますが、傾向としてセンターポジションの選手は比較的高めになるケースが多いです。
「リバウンド」…リバウンドを取ることで、攻撃権を保持できます。
これはリングに近いポジションの選手に大きく補正がかかります。リバウンドを取る能力はバスケでは非常に大事になってきます。
「アシスト」…より良い状況でシュートを打てれば得点確率は上がります。ガード陣に多い傾向かと思いきやゴール下の選手にも多いです。
「スティール」…相手ボールを奪うことです。相手の攻撃を終了させ、攻撃権が自分たちに移ります。
カウンター攻撃につながるのでスコアへの影響が大きいプレーです。
「ブロック」…シュート止めるプレーです。決まれば失点を確実に防ぐことになります。
「シュート失敗」…シュートの失敗本数です。相手にリバウンドを取られたら攻撃が終了になります。
「フリースロ失敗」…フリースローの失敗本数です。相手にリバウンドを取られたら攻撃が終了になります。
「ターンオーバー」…シュートを打てずに攻撃が終了することです。攻撃チャンスを一回分逃すことになります。
これらのスタッツを上記の式に当てはめているのですが、なんとなくゴール下で働く選手の「EFF」が高くなりそうですね。
バスケではサイズのある選手が優位なことは間違いありません。
大きい小さいが選手の評価を上下させる要素であると仮定して、「EFF」のように評価する指標があっても、それ自体に問題はないと思います。
「EFF」の問題点
では「EFF」の問題点はどこか。
それは、リバウンドからターンオーバーまで、あらゆるプレーが全て等しく1点と換算されることにあります。
統計的にはリバウンドよりアシストの方が得点に結びつきやすく、アシストよりもスティールのほうが、より得点の可能性が高くなり、 それぞれのプレーによる得点創造価値が異なることがわかっています。
また、「EFF」ではプレータイムによる影響を測ることができません。
30分出場して10点取れる選手と、20分出場して10点取れる選手は、「EFF」では等価値とみなされます。
「EFF」では、プレータイムの違う選手の実力を同等に比較することは難しいのです。
それは、リバウンドからターンオーバーまで、あらゆるプレーが全て等しく1点と換算されることにあります。
統計的にはリバウンドよりアシストの方が得点に結びつきやすく、アシストよりもスティールのほうが、より得点の可能性が高くなり、 それぞれのプレーによる得点創造価値が異なることがわかっています。
また、「EFF」ではプレータイムによる影響を測ることができません。
30分出場して10点取れる選手と、20分出場して10点取れる選手は、「EFF」では等価値とみなされます。
「EFF」では、プレータイムの違う選手の実力を同等に比較することは難しいのです。
「EFF」の問題点を補完する「PER」
「PER」も基本的には「EFF」と考え方は同じで、いい成績から悪い成績を引いた数字です。
「EFF」との主な違いは、
それぞれのプレーに対して、統計的に割り出した係数をかけること
プレータイムを考慮すること
所属するチームの調整値で補正すること
などです。
計算式は下記のとおりです。
…わかんないです(泣)
正確なPER算出にはこの式を使うのですが、チームやリーグ全体の数字をすべて拾わないと算出できません。
ですが、ここまで複雑な式を使わなくても、99%同じような指標を出せる簡単な式が割り出されました。
その式がこちらになります。
これならわかりやすいですね!
リバウンドよりアシストのほうが価値が高く、スティールはもっと高い。
そしてそれぞれ出場時間で割られているので、1分当たりの数値に換算されているということですね。
当サイトで扱っているnPERはこちらの計算式により算出された「なんちゃってPER」となっています。
「PER」であれば、プレータイムをほとんどもらっていない若手選手でも、試合でのインパクトをレギュラーと同列に比較できるかもしれません。
NBAなどでは、こちらの「PER」のほうが「EFF」よりも一般的になっているようです。
「EFF」との主な違いは、
それぞれのプレーに対して、統計的に割り出した係数をかけること
プレータイムを考慮すること
所属するチームの調整値で補正すること
などです。
計算式は下記のとおりです。
uPER = (1 / MP) * [ 3P + (2/3) * AST + (2 – factor * (team_AST / team_FG)) * FG
+ (FT *0.5 * (1 + (1 – (team_AST / team_FG)) + (2/3) * (team_AST / team_FG)))
– VOP * TOV – VOP * DRB% * (FGA – FG) – VOP * 0.44 * (0.44 + (0.56 * DRB%)) * (FTA – FT)
+ VOP * (1 – DRB%) * (TRB – ORB) + VOP * DRB% * ORB + VOP * STL + VOP * DRB% * BLK – PF * ((lg_FT / lg_PF) – 0.44 * (lg_FTA / lg_PF) * VOP)]
…わかんないです(泣)
正確なPER算出にはこの式を使うのですが、チームやリーグ全体の数字をすべて拾わないと算出できません。
ですが、ここまで複雑な式を使わなくても、99%同じような指標を出せる簡単な式が割り出されました。
その式がこちらになります。
なんちゃってPER=
45.75*(得点/Min)+22.55*(リバウンド/Min)+32.8*(アシスト/Min)+
58.2*(スティール/MIN)-48.65*(ターンオーバー/Min)-39.73*(シュート失敗/Min)
-20.6*(フリースロー失敗/Min)+38.37*(ブロック/Min)-18.68*(ファウル/Min)
これならわかりやすいですね!
リバウンドよりアシストのほうが価値が高く、スティールはもっと高い。
そしてそれぞれ出場時間で割られているので、1分当たりの数値に換算されているということですね。
当サイトで扱っているnPERはこちらの計算式により算出された「なんちゃってPER」となっています。
「PER」であれば、プレータイムをほとんどもらっていない若手選手でも、試合でのインパクトをレギュラーと同列に比較できるかもしれません。
NBAなどでは、こちらの「PER」のほうが「EFF」よりも一般的になっているようです。
「PER」にも問題点がある
「PER」が、より細かく選手のプレーを評価出来ていることがわかりましたが、それでも「PER」の数値だけで選手の価値を決めることはできません。
バスケットはボールを持っていない時の動きが多く、そのプレーは大きく得点に影響していますが、その貢献が「PER」に反映されることはありません。
また、「PER」はシュートを打てば打つほど数値が高くなる特徴もあります。
これはチーム方針が関わってくるので、チームが変われば「PER」が変わる可能性があります。
すなわち、選手は移籍するだけで価値が変わってしまうということになります。
このような問題もあるため、「EFF」も含め、これらの指標は、選手の価値の一つの側面のみを表す数値だと認識する必要があります。
バスケにはまだまだ多くの指標があるので、いろいろな視点から選手を観てみるのも楽しいと思います。
バスケットはボールを持っていない時の動きが多く、そのプレーは大きく得点に影響していますが、その貢献が「PER」に反映されることはありません。
また、「PER」はシュートを打てば打つほど数値が高くなる特徴もあります。
これはチーム方針が関わってくるので、チームが変われば「PER」が変わる可能性があります。
すなわち、選手は移籍するだけで価値が変わってしまうということになります。
このような問題もあるため、「EFF」も含め、これらの指標は、選手の価値の一つの側面のみを表す数値だと認識する必要があります。
バスケにはまだまだ多くの指標があるので、いろいろな視点から選手を観てみるのも楽しいと思います。
数字でバスケはもっと面白くなる!
個人的な意見ですが、野球で歴代ベストナインなどの話題が尽きないのは、選手と成績が密接に関連し、それがファンに認知されているためだと思っています。
選手成績がもっとわかりやすく、直感的に触れる機会が増えればB.LEAGUEのファンも比例して増えるのではないでしょうか。
実際に試合を観て、選手を観て、自分の感覚と数字に表れているスタッツを踏まえて、自分なりに選手を評価してみてください。
そこにプロスポーツの醍醐味があると思います。
選手成績がもっとわかりやすく、直感的に触れる機会が増えればB.LEAGUEのファンも比例して増えるのではないでしょうか。
実際に試合を観て、選手を観て、自分の感覚と数字に表れているスタッツを踏まえて、自分なりに選手を評価してみてください。
そこにプロスポーツの醍醐味があると思います。