2020-11-12
Bリーグ プレミアリーグ構想について
11月11日、CNAアリーナにてBリーグの島田チェアマンが、プレミアリーグ構想について語りました。
2026年を目途に現B1リーグの上に、新しいリーグを作るということ。
この構想の内容や目的と私の所感を書きます。
プレミアリーグ構想
【概要】
リーグの定める一定の基準を満たしたチームでB1の上に「プレミアリーグ」というカテゴリを作る。
プレミアリーグには成績による昇降格はなく、経営が破綻しない限りは降格することはない。
【目的】
なりたいスポーツ選手No.1に選ばれるようになること
事業規模でNBAに次ぐリーグになること
【基準】
・売上高が12億円以上であること
・観客動員数が4000人以上であること
・
一定基準を満たした、コントロール可能なアリーナを保有すること
【効果】
降格がないことで、戦力へ集中していた投資を地域やファンへの還元に使えるようになり、より地域に根付いたクラブ運営ができるようになる。
【懸念】
プレミアリーグに参画できないチーム・地域のモチベーション維持。
その他のベネフィット
クラブとアリーナがあることで、社会的価値と経済的価値を生む。
・
アリーナによる防災力の強化
・
スポーツ推進による健康増進
・
観戦で人がたくさんやって来ることにより、定住、交流、関係人口の増加につながる・
スポーツが産業化されることで雇用が創出される
・
地域が活性化することで税収が増加
経済効果は(秋田の場合)50~60億円ほどを見込んでおり、地域の活性化の起爆剤となる。
所感① Bリーグの背景
ここからは私の所感になります。
過去のコラム「Bリーグを盛り上げたい!」にも書いた通り、Bリーグは日本で3番目のプロスポーツとして成長中ですが、
その規模は、収益や観客動員数の面でNPBやJリーグに大きく溝をあけられています。
もう一度数字に触れておくと、
市場規模はBリーグが約300億円に対し、NPBは1800億円。
観客動員数はBリーグが約260万人に対し、NPBは2600万人です。
Bリーグが着実に成長しているとはいえ、NPBに追いつくには30年以上かかりそうな計算になります。
そして、これらの数字は、このコロナ禍で大幅に減少することが見込まれます。
プロスポーツの収益の1丁目1番地は観客動員です。
観客動員が落ちることで直接的にチケット販売とグッズ販売は落ち込みます。
そして、集客が見込めないことからスポンサーによる広告収入も減少していきます。
昨季も終盤でシーズンは打ち切られたため、各クラブの財政状況は苦しいものになっており、リーグから配分金に加えて全クラブに支援金が送られ、
なんとか持ちこたえているのが現状です。
LIVE配信の強化で、実質観客の増加を狙う施策などは打っていますが、NPBとJリーグの背中はまだまだ遠いという背景があるのかなと思っています。
所感② Bリーグの目指す姿
以上の点を踏まえると、構造改革が必要なことは理解ができます。
私自身はBリーグに日本で1番のプロスポーツに成長してもらいたいと思っており、ビジネスマンとして実績を残してきた島田チェアマンの手腕も気になるところです。
たとえ2026年に基準をクリアできるクラブが5チームでも「やる」と断言していますが、そこに覚悟とスピード感への意識を感じます。
ただ、私はJBL時代の話は知らず、当時から日本のバスケットを応援してくれている方が、どのようにこの話を捉えているかわかりません。
また、今回の構想は、先日出たB1リーグの統治ガバナンスの閉鎖型化との違いがよくわからない内容しか語られていないため、具体的にどのようなリーグになるのか情報を待つ必要があります。
現時点では賛成とも反対とも言えない状況です。
まとめ
SNSなどでの反応は、旧リーグ時代のことがあるためか、ネガティブな反応が多い印象です。
ただ、当時と違うのは、小さな声が届く世の中になってきているということです。
みんなが議論することで最適なリーグのかたちになって、日本のバスケがもっと盛り上がればいいなと思います。
【登場人物別】 スラムダンクの名言集